
ベルキャプテンS様
前略
昨日は、土曜日の忙しい時間帯にもかかわらず、親切、丁寧に対応していただき、
誠ににありがとうございました。心より感謝申し上げます
おかげさまで滞在中も心豊かに過ごすことができました
あの後、鳥は無事だったと聞き
娘らとともに喜びました
来年元気な姿が見れるとといいなと思います
またよろしくお願いいたします
M

M様
メールありがとうございます
出発前だったので詳しくご報告できずに申し訳ありませんでした
あの後、獣医さんのアドバイスもあり、ダンボールに保護し、
暖かくして様子を見ていましたら、翌朝には元気になって
バタバタ暴れるので、箱を開けてやると、元気に山に帰って行きました
元気な様子をお見せしたかったのですが、あっという間に飛びたったものですから
写メを撮る間もありませんでした
鳥は獣医さんが「オオアカゲラだ」と言ってました
来年もきっと遊びに来てくれると思います
一晩だけの付き合いでしたが、彼に名前を付けました
「アントーニオ」です
次回お会いした時は合言葉は『アントニオ!」で
お願いいたします
それでは来季のお越しを心よりお待ち申し上げます
S
2011年1月15日

母は考えていた
アントーニオの事、そしてベルキャプテンの事。
かれこれ10年近く毎年ここ富良野にスキーにきているが、
一度たりともホテルの従業員の方と話し込んだ事はない
そもそも話したくても話しこむ理由がないのだ
「トイレットペーパーがなくなりました」「夕食は6時でお願いします」
くらいの会話はするけれど・・
スタッフは日々忙しく働いている
今回、アントーニオを通じて知り合う事ができたベルキャプテン。
本当に不思議な縁だと思う
ホテルの露天風呂に浸かり、そんな事を考えつつ、帰りにフロントの前をプラプラ歩いていると、ある画家の個展が行われていた
「田園幻想画家 金子英明」
とある
母は何気なくその絵の前で足を止め、じっと絵を眺めてみた
そして思わず「あっ!」と声をあげていた
むねがドキドキ高鳴っている
「いた!」
「こんなとこにいた!」

アントーニオ!!!!!!!
そこにはまさしくアカゲラが、田園の中で遊びまわる子供達を優しく見つめていた
ドキドキはやがてトロリとした熱い塊になって胸の奥から湧き出してきた
「よしっ!」
母はある事を固く決意した
つづく
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